離婚したいが相手が話し合いに応じてくれない
意を決して相手方に離婚したいと伝えても、相手方が頑なに応じないことがあります。
そんなとき、どのように対応すればよいのでしょうか。相手方への対応方法をご説明します。
目次
1 離婚協議(話し合い)
相手方が離婚を拒む理由はさまざまです。
まだやり直せると信じている場合、世間体などを気にしている場合、慰謝料の支払いや財産分与の必要性、離婚後の生活の不安など、金銭面を理由に離婚を拒んでいる場合もあります。
ただ、相手方も、離婚を求められ続けるうちに、「そんなに離婚したいのなら仕方がない」と離婚を認める方向に傾く可能性もあります。また、離婚後の金銭面の不安が解消されるならば離婚しても構わないと態度が軟化するケースもあります。
なお、離婚しても将来の金銭的な不安がないという方で、どうしても離婚をしたいという場合、相手方に金銭面の条件を譲歩することで相手方の離婚の意思を引き出す、という方法も一つの方法ではあります。
2 離婚調停の申立て
もっとも、相手方の態度が頑なである場合、協議を持ち掛けても相手方の態度が変わらないこともあります。
そのような場合には、家庭裁判所に離婚調停を申し立てて、調停委員に話し合いの仲介をしてもらう方法があります。第三者である調停委員に間に入ってもらうことで、お互い感情的になりすぎずに自身の気持ちを伝えあうことを期待でき、こちらの固い決意を相手方が理解し、離婚に応じる可能性も高まります。
しかし、調停もあくまで話合いが基本の手続きであるため、相手方がなおも離婚に応じない場合には、調停の継続は不可能と判断され、調停不成立となります。
3 離婚訴訟の提起
協議、調停という話し合いでは相手方が離婚に応じなかった場合、残された手段は裁判のみとなります。裁判では、法律で定められる次の離婚原因があると裁判所が判断すれば、相手方が離婚に同意していなくとも、裁判所が判決により夫婦を強制的に離婚させることができます。
なお、相手方が離婚に同意していなくとも離婚させられるという点で、裁判は強力な手続きといえますが、調停前置主義という決まりがあるため、裁判を起こす前には必ず調停を経なければなりません。
また、法律(民法第770条第1項)で定められた離婚原因があると裁判所が認定できるケースでなければ、勝訴して離婚を認めてもらうことはできません。
具体的に、離婚原因とは、以下で挙げられた事由となります。
① 配偶者に不貞な行為があったとき
② 配偶者から悪意で遺棄されたとき
③ 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
④ 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
⑤ その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
(1)不貞行為
不貞行為とは、自由な意思に基づいて配偶者以外の人と性的関係を結ぶことです。
(2)悪意の遺棄
「悪意の遺棄」とは、夫婦の同居・協力・扶助といった義務を正当な理由なく果たさないことです。
(3)生死が3年以上明らかでないとき
最後に生存を確認したときから3年以上、居場所だけでなく生きているのか死んでいるのかが分からない状態です。
(4)回復の見込みがない強度の精神病
精神病の程度が婚姻の本質である夫婦の同居・協力・扶助の義務を果たすことができない程度になっている場合です。
(5)婚姻を継続しがたい重大な事由
社会通念に照らして、配偶者に婚姻生活の継続を強いることが相当でないと認められる程度に婚姻関係が破綻している場合をいいます。
性格の不一致などもここに含まれます。離婚を求める側としては、さまざまな証拠を提出して、婚姻の継続が難しい「重大な事由」であることを推認できる事実を丁寧に主張することが必要になってきます。
このように、相手方が離婚を拒んでいる場合は、法律上の離婚事由が認められないと、請求棄却となり離婚が認められません。
しかし、そのような場合でも、離婚の意思を示し続けることで、裁判上の和解という手続の中で、裁判官が相手方に対し離婚することを促してくれることもあります。
4 別居は離婚事由となりうる
夫婦には同居義務があり、同居は夫婦関係の本質ととらえられるため、別居していることは、婚姻関係の破綻の現れとみなされ、先ほど述べた離婚事由の(5)が認められることになります。そのため、(1)から(4)の離婚事由が存在しない場合には、別居に踏み切ることも一つの選択肢となります。
ただ、別居を開始すれば離婚事由として認められるというわけではなく、別居が継続していることが婚姻関係の破綻を現すものとみなされるため、ある程度長期の別居期間が経過していることが必要となります。
なお、別居していても、夫婦には婚姻費用の支払義務はあるため、相手方が婚姻費用を支払う側である場合には、別居により夫婦の実態がないにもかかわらず、婚姻費用を支払い続けている状況に意味を見いだせず、別居を継続することで離婚に応じる方向に傾くこともあります。
5 最後に
以上の通り、離婚を拒む相手方と離婚することは簡単とはいえません。それでも離婚をしたいなら、早めに弁護士が介入すべきです。
離婚協議の段階で弁護士が入り離婚を求めていけば、こちらの意思が固いことを示すことができます。また、弁護士を介することで、問題が先鋭化する前に、適切な解決策を取ることもできます。
また、調停や裁判に進んでも、弁護士が代理人についていれば法律の知識や経験に基づいて適切に手続きを進め、早期の解決を図ることも期待できます。
配偶者が離婚に応じてくれずお悩みの方は、ぜひ当事務所へご相談ください。