医師の妻のための離婚相談
目次
医師との離婚における特殊性
医師は、開業医、勤務医に関わらず、会社員に比べて収入が高く、医療法人を開業している場合は、法人の経営者であるという側面もあります。また、子どもも医学部の進学を目指す家庭が多く、その場合、私立学校への進学や個別学習な教育費にお金がかかることが多いという特徴があります。
以上のような特徴を踏まえ、医師との離婚の際に注意すべき点をご説明いたします。
財産分与での注意点
一般的に収入が高く、保有する財産の種類や金額が多いため、財産分与の対象となる財産の内容と金額を正確に把握し、適正に財産分与を行うことが重要です。
収入が高い方が保有する財産を分与する場合の注意点については、「会社経営者の妻の離婚」についての項目で説明していますので、そちらもご参照下さい。
・有価証券(出資)について
相手方が医療法人を経営している場合、開業にあたり相手方自身が多くの出資をしている場合が多いです。夫婦の共有財産から出資したと評価できる場合は、離婚にあたり、出資分を財産分与の対象とすることができます。
開業から時間が経過している場合、出資分の資産価値が大きく増加していることも多いですので、適正に評価し、分与することが重要です。
医療法人の従業員としての地位について
医師である相手方に従業員として雇用されていた場合、離婚後に従業員の地位がどうなるか、という問題が生じることもあります。
この点、原則として、雇用主が従業員を解雇する場合、客観的・合理的な理由があり、社会通念上相当と認められない限り解雇は無効と判断されるため、相手方は夫婦の離婚という理由による解雇という手段はとりにくいでしょう。実務的には、金銭的な補償と引き換えに、合意退職の形を取ることが多いです。相手方から解雇をちらつかされても、金銭的な補償と引き換えにした合意退職に向けて交渉すべきでしょう。
婚姻費用・養育費について~子の医学部進学を前提とする高額の養育費を確保するためには?~
医師の家庭においては、子どもも医学部の進学を希望していることが多く、小学校から私立の進学校に進学するケースもあります。また、医学部は6年制ですし、私立の医学部の場合は高額の学費が必要となります。医学部進学のために、専門の塾や家庭教師を利用していることもあります。
子どもにかかる教育費について、金額や支払方法について、離婚時に相手方と合意できればよいですが、合意できない場合は、家庭裁判所が作成した、夫婦双方の年収と子どもの人数・年齢から婚姻費用や養育費の金額を計算する、いわゆる「算定表」に基づいて算出されることになるのが一般的です。
しかしながら、この算定表では、義務者(支払う側)の年収について、2000万円の場合までしか算出することができません。
また、医学部進学を前提とした高額の教育費については、一般的な算定表を用いて算出することが困難なケースも多いと考えられます。
そこで、義務者の収入は2000万円を超える実際の年収額をもとに計算すべきという考え方に基づき、養育費の加算事由として、医学部進学のために必要となる教育費を具体的に主張することにより、養育費が不足しないよう、適正な金額を定めることが重要となります。
医師との離婚において、弁護士に相談するメリットとは?
医師のご家族の生活レベルは、通常の場合に比べて高いことが多いでしょう。
しかし、離婚後は、相手方の高収入に頼ることができなくなるため、従前の生活レベルを前提とした生活を送ることは簡単でないと予想されます。
そこで、離婚後も、できるだけ経済的な負担感を感じずに生活を送ることができるように、財産分与等の離婚条件の取り決めを適切に行っておくことが重要となります。
また、子どもも医学部への進学を予定している場合、十分な養育費の支払いを確保することも極めて重要といえるでしょう。
医師との離婚においては、多様な資産の保有の有無の調査や、婚姻費用や養育費の算出方法など、難しい問題が多いことから、これらの問題を解決するため、離婚問題に詳しい弁護士に相談・依頼することをお勧めします。
当事務所では、多数の離婚問題を取り扱ってきております。離婚問題でお悩みの方は、当事務所にご相談、ご依頼下さい。