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熟年離婚

熟年離婚

熟年離婚とは?

長年連れ添った夫婦が離婚する「熟年離婚」という言葉はいまや一般化しています。それだけ熟年離婚をされる方が多いということです。
一般的に、熟年離婚とは、およそ20年以上同居した夫婦が離婚することをいいます。最近の司法統計を元にしますと、1年の間に離婚する夫婦のうち、20%前後が熟年離婚の定義に当てはまることになり、熟年離婚が相当の割合を占めていることが分かります。

近年熟年離婚が増加している理由とは?

・勤労収入を得られる女性が増えた

共働き家庭が多く、自身で収入を得ることができる女性が増えています。そのため、以前より金銭的な不安を感じず離婚に踏み込むことができる女性が増えたことが考えられます。
とはいえ、現実問題として、勤労収入があっても一人の収入で生活していくには十分といえないことも多く、離婚後に経済面の不安に直面する可能性は高いです。
したがって、離婚時に、財産分与や慰謝料等でどれくらいのお金を確保できるかについては、なお重要な問題であるといえるでしょう。

・年金制度の変更

2007年4月以降に離婚する場合、婚姻期間中に夫が支払った厚生年金保険料の納付記録を2分の1ずつ分割できる年金分割制度が始まったことも、熟年離婚が増えた理由の1つとして挙げられます。
年金をどれだけ受給できるかは老後の生活に大きく影響するため、この年金分割制度が熟年離婚の増加を後押しした面は大きいでしょう。

離婚を切り出す前に考えるべき熟年離婚のメリット・デメリット

熟年離婚する夫婦が多いということは、熟年離婚にメリットを感じる方が多いということです。もっとも、熟年離婚のデメリットも否定できません。
特に、デメリットについて、事前に対策をした上で、離婚することが重要であるといえます。

・熟年離婚のメリット

① 配偶者が原因となっている悩み(DV、モラハラ、金銭問題、浮気、義家族との関係など)から解放される。
② それまで配偶者のために使っていた時間を自分のために使うことができる(新しい趣味、新しいパートナーを見つけるなど)。
③ 姓を変更できる

・熟年離婚のデメリット

① 経済的に不安定になる(生活費を確保できる職を得なければならない)
② 相手方が世間体を気にして離婚に応じてくれない可能性がある
③ 離婚後1人の生活で頼れる人がいなくなる(急病時など)

熟年離婚で後悔しないために準備すべきこと

熟年離婚のデメリットに関連しますが、熟年離婚後の生活が想定と異なり、離婚したことを後悔する、といったことがないように、離婚を切り出す前に、事前にしっかりと準備しておきましょう。

① 経済面 

・離婚後、どれくらいの生活費がかかるのかを試算し、それに対し、どれくらいの収入が得られる見込みであるかを確認しましょう。
また、子どもの教育費がかかる場合には、将来の見込み分も含め、それがどの程度になりそうなのかも想定し、相手方から養育費として毎月受け取る金額で賄うことができるものかどうかも検討しておきましょう。
・離婚時の夫婦の財産(結婚から離婚までの間に夫婦で形成した財産)は、財産分与を受けることが可能です。
離婚時に夫婦の財産がどれくらいあるのかを確認し、仮に1/2ずつ分けるとした場合、どれくらいの金額になるのかも試算しておきましょう。
・年金分割した場合に、将来受給できる年金額を調べておきましょう。

② 就職先の確保

専業主婦(主夫)の方や、パートタイマー等の短時間労働を行っている方で、離婚後は自身も勤労収入を得なければ生活が難しいという方は、自身の生活費を賄えるだけの収入が得られる就職先を確保できるかどうか、事前に調べておくことは重要です。

③ 住居の確保

離婚前持ち家に住んでいた場合、離婚後、どちらが住むのか、売却するのか、残ったローンはどうするのか、などの検討が必要となります。
また、離婚後の住居として実家に戻られるケースは多いですが、熟年離婚の場合、そのようなケースは若干少ないように思われます。賃貸物件を新たに借りる場合には家賃の負担が必要となることもしっかりと踏まえておく必要があります。

熟年離婚における財産分与の特殊性

① 退職金の分与

財産分与についての基本的な考え方は、通常の離婚の場合と同様です。
熟年離婚特有の問題としては、退職金の取り扱いが挙げられます。
すなわち、退職金の支払い時期がかなり先である場合、退職金が支払われる可能性が低いと判断されるため(一般的に10年以上先の場合)、退職金は財産分与の対象とならないことが多いといわれています。
しかし、熟年離婚のケースでは、退職済み、もしくは退職が近いというケースも多く、すでに退職金が支払われている、もしくはまだ支払われていないが、近い将来退職金が支払われることが確実である場合には、退職金も財産分与の対象となり得る、という特殊性があります。
一般的に退職金はまとまった金額となるため、退職金が財産分与の対象となるかどうかは、離婚後の経済的安定に大きく影響する問題といえます。配偶者の退職時期、退職金の有無、金額を確認し、財産分与の対象となるかどうかを見極めることが重要といえます。

② 年金分割

夫婦が加入していた厚生年金の保険料の納付実績について、年金額が多い配偶者から、少ない方へ分割する制度を年金分割といいます。
年金分割には、以下の通り、合意分割と3号分割という2通りの方法があります。

・合意分割  

 厚生年金の報酬比例部分が分割の対象となり、配偶者が納めた年金保険料の納付記録のうち、他方は按分割合の上限を2分1までとして分割を受けられます。
この分割をするためには、夫婦の合意が必要となります。

・3号分割

 2008年4月1日以降に、専業主婦(主夫)であった期間(第3号被保険者期間)について、会社員である配偶者の保険料納付記録を2分の1に自動的に分割できる制度です。配偶者の同意は必要ありません。
 2008年3月31日以前に専業主婦(主夫)であった期間は含まれないため、この期間について分割を受けるためには、上述の合意分割を行う必要があります。   

熟年離婚を進める手続きは?

熟年離婚するためには、通常の離婚の場合と同様、離婚協議、離婚調停、離婚裁判のいずれかの方法によることになります。

・離婚協議

離婚協議は、裁判所を介さない当事者間の話し合いによる手続きであるため、早期解決が期待でき、負担が少なくて済むというメリットがあります。
ただし、相手方が感情的になるなどして話し合いに応じてくれない場合や、相手方が財産を開示してくれず、財産分与等の前提となる情報が得られない場合は、協議成立に至ることができないというデメリットがあります。

・離婚調停

離婚協議が難しい場合、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることになります。
調停も話し合いの手続きではありますが、中立的な第三者としての調停委員が話し合いの仲介をしてくれるため、当事者だけの直接の協議が難しい場合でも、協議が進められるというメリットがあります。
また、調停委員が相手方に財産を開示するよう促してくれることが多いため、それまで開示されなかった財産の開示を受けることも期待できます。それでも相手方が開示しない場合、裁判所を通じて財産に関する情報を開示させる制度である「調査嘱託」を申し立てることが出来ます。
ただし、調停もあくまで話し合いの手続きであるため、最終的に当事者間の合意ができなければ調停は成立しません。また、裁判所を介した手続きであるため、調停期日は、1カ月~1カ月半に1度のペースでしか進まず、協議の場合より時間がかかる、というデメリットがあります。

・離婚裁判

調停でも離婚が成立しない場合は、離婚裁判を起こすことになります。
そもそも離婚すること自体を相手方が否定している場合、裁判にて離婚を認めてもらうためには、民法の法定離婚事由があるかどうかが重要となりますが、財産分与等の財産面のみが争点である場合には、夫婦の財産に関する客観的な資料をもとに、裁判所が公平に判断するため、それまで相手方が財産の分与等を拒否していた場合でも、しかるべき分与を受けることが可能となるというメリットがあります。
ただし、裁判手続きは、高度に専門的な知識が必要な手続きであることや、裁判期日が、1カ月~1カ月半に1度のペースでしか進まないため、時間がかかるというデメリットがあります。

円滑に熟年離婚を進めるために、経験豊富な弁護士に相談・依頼を

熟年夫婦の実態として、すでに子供が独立し教育費の支出の必要性がなくなっている、住宅ローンの支払いが終わっている、退職金を受領済みである、などの理由から、蓄財しやすい経済状況にあり、相当額の財産が形成されていることが多い、という特徴が挙げられます。
もっとも、夫婦の一方のみが財産の管理を行っていた場合は、財産の管理者側から財産の内容を開示してもらわない限り、その詳細を把握することはできません。
しかしながら、離婚協議の場においては、当事者が感情的になるあまり、財産の開示まで拒まれてしまう、という問題もよく起こります。
このような場合、弁護士に離婚協議の代理を依頼することで、直接当事者同士で話し合いを行う場合に比べ協議の場に冷静さを保つことができ、相手方に対し、財産の開示に応じさせやすい流れを作ることが期待できます。
また、財産が多岐にわたる場合には、財産的価値の評価の方法をどうすべきか(特に不動産)や、財産の種類や個別の状況によっては財産分与の対象とすべきかどうかが問題となるなど、解決すべき争点も多くなり、専門的知識が不可欠になります。
協議が成立に至らない場合には、調停、裁判と、専門知識が求められる場面が多くなるため、特に熟年離婚においては、早めに離婚問題の専門家である弁護士に依頼することが有益です。

当事務所は、これまで熟年離婚を含め、多数の離婚事件を扱ってまいりました。
熟年離婚でお悩みの方は、当事務所にお気軽にご相談下さい。お待ちしております。

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